えーと、お弟子志望の子が来たところからだ。
このお弟子志望の子を、リー君 とうちでは呼んでいる。
別に中華系では無い。岡山県出身。32歳。
個展の時にお客さんで来てくれて
「遊びに来てもいいですか」と聞くので、いいですよ、と言うと
ある時連絡もなく家にやってきた。
彼は、ものすごく無口である。
↑ここに書いたけど
うちはウーフに来てもらおうとおもって
小屋を借りていたから
まぁタイミング的にはいいかんじで。
ここに寝泊まりして働いてもらうことにした。
リー君には申し訳ないが、お給料はまだ出ない。
だけど、寝泊まりと3食は一緒に食べて
たまにガソリン代を支給するっていうことにした。
証太曰く
「まだほんとうにやりたいのか
わからないから
長期のウーファーだとおもうことにする」
証太は7年修行したけれど、彼はどうなるかな。
それで、なにが「主婦のしごと」なのかって言うと
弟子の子が来てわたしが氣をつけたことは
まるで産後の女の人みたいに
「わたしが家事をなるべくしない」っていうことなのだ。
せっかく人手が来てくれたのに
わたしがお弟子の「お手伝いさん」になったらいかんわけだ。
しかも、昔から「男子こそ厨房に立て」っておもってるんだから
ただの修行の一環として、台所しごとをしてもらいます。
だって
料理もしないで、
陶芸家になんかなってもしょうがないでしょう。
手が空いたわたしは「氣がついたことだけ」をやっている。
(シンクを磨いたり、階段を拭いたり、窓を拭いたり、服のシミをとったり、
フキンを煮洗いしたり、枕カバーを繕ったり、保存食をつくったり・・・
いろいろある)
おかげで台所が日に日に綺麗になっていく。ありがたい。
リー君も 皿を洗ったらシンクまで洗うようになった。
テーブルを拭く時は、サイドのところまで拭くようになった。
風呂に入ったら流したじぶんの髪の毛を捨てるようになった。
(もちろんトイレは座ってする)
それで、わたしは時間が空いたから
朝から晩まで
2歳の子どもの
「ダイスキダイスキー」「ねんねんパイパイー」
「えほんよんでー」
9歳の子どもの
「だいすきしてー」「だっこー」「本読んでー」
に、フルタイムで対応できるわけだ。
これは大きいよ。
ご飯3食つくってたら
こんなの笑いながら対応できないのよ。
昔、家事しすぎて
疲れて怒りながら証太に言っていたことは
「わたしを優しい母さんでいさせてよ!」
昔からおもうんだけど、わたしがやりたいのは
ゴリラやオランウータンのお母さんみたいに
年中子どもと一緒にいて
だっこしたりおんぶしたりして
「おなかすいたー」と子どもが言ったら
「お父さん、おなか空いたって」
と、オスに言う。そうすると
オスがバナナやマンゴーを取って来てくれる。
子どもと遊ぶのがわたしには楽しいしごとだから
それ以外のことはどんどん手を離したい。
手を離さないと新しいものは手に入らないって
わかってるからね。
だいたい、わたしのこの10年の
「主婦のしごと」の歴史っていうのは
どんどんできなくなっていく、
やらないことが増えていく歴史なのだ。
いや「できないことを明らめていった」っていうことかな。
やめたこと
1.自動車の運転(できるかも、とおもうのを辞めた)
2. 生協の週一の注文
3. お金の勘定(財布を持ち歩かない)
4. 子どもと自分だけの外出
5. 草刈り(草刈機の)
わたしは、こういうことはみな不得意だから
ぜんぶやってもらいたいっていうのを4~5年かけて理解してもらった。
「できないことはやらないでいいんじゃないか?」って
じぶんにも理解させた。
つまり、わたしだけしかできない家事っていうのは
もう無くしたかったの。
家事が女のしごとだなんて決まってないもんね。もともと。
津留崎徹花という、カメラマンの友人が
田舎に移住したい気持ちとその家族の冒険を
連載しています。コロカル、というwebマガジンにて。
今回はうちのハナシ。
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ゆ